また、リスクが同じ株が2つあって、1つは平均収益率が高く、もう1つは平均収益率が低いとします。
その場合は、平均収益率の高いほうを選ぶことになるでしょう。
楕円のような形の中にある点々を見てください。
1つ1つの点は個別の株や債券を表しています。
縦軸が平均収益率(上に行くほど収益率が高い)で、横軸が変動率(右へ行くほど変動率が高い)です。
リスクが大きいのにリターンが低かったり、その逆もあったりと、ものすごくバラツキがあるものの、だいたいこのように散らばっているものと思ってください。
平均収益率が同じで変動率が小さい株や債券(同じ横軸のもとで最大限左のほう)、変動率が同じで平均収益率が高い株や債券(同じ縦軸のもとで最大限上のほう)が、太い曲線付近に集まっています。
投資家はこの曲線付近にある株や債券を組み合わせれば、同じリスクでも高いリターンが期待できるポートフォリオを作ることができます。
これは、ノーベル経済学賞を受賞したHが1952年に発表した考え方です。
Jという経済学者は、この考え方をさらに発展させて、変動率がゼロ(収益率はR)の安全資産を組み合わせた考え方を58年に発表しています。
縦軸の点Rがその安全資産にあたります。
具体的には一般の預貯金のことです。
安全資産(=預貯金R)とリスク資産(=株や債券)などの組み合わせは、Rからリスク資産の集合である楕円に接線を引いて考えることができます。
右へ行くほどリスクが高まり、リターンが高いほうへ、つまり接線は右上方へと伸びていきます。
楕円との接点がリスク資産だけのポートフォリオ、Rと接点の真ん中の接線上が安全資産50%・リスク資産50%のポートフォリオになります。
要するに、安全資産を増やせばRに近づき、リスク資産を増やせば楕円との接点が近づくわけです。
適切な投資のポートフォリオが作れるかというと、なかなかそうはいきません。
点で示された位置は、あくまでも過去の株や債券の平均収益率や変動率から取っています。
ここは強調しておきたいのですが、将来は不確実なものです。
バックミラーを見るだけで車を運転したら必ずぶつかるように、必ずしも過去の経験則が将来も通用するとは限りません。
実現する収益率が期待していたよりずっと低い可能性だってあるわけです。
ここで、かんたんな思考実験をしてみましょう。
株価はまったく上昇しないで、いくらリスクをとって買っても、買えば買うほど損をして、リターンがほとんど期待できないような事態になったとします。
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